コーデュロイのカッチングについて

 織物は、整経、糊付、経通し、織布、染色整理の各工程を分業で請け負って製造されますが、コーデュロイや別珍を製造するのには、織布工程の後にカッチング工程(剪毛工程)、仕上工程が必要になります。

特にカッチング(剪毛)は、紡績により作った糸を織って、そして「切る」という特徴的な工程です。100年前から別珍・コーデュロイを製造する当産地ならでは工程と言えます。これらの工程は、国内では磐田市を含む天龍社産地で体系化され、工程として整備されており、他産地で見ることはほとんどありません。

 現在、コーデュロイのパイルカットを行うカッチング工程は、カネタカ石田株式会社(http://kanetaka-ishida.co.jp/)がその多くを請け負っています。

カッチングとは、簡単に言えば緯パイルをカットする工程です。カットは、専用のガイドニードルと円形のカッターを使って、機械で行います。緯パイルの糸をカットすることで、生地の表面に1.3mmから4mm程度の幅の畝を作ります。畝は、その後工程となる仕上げ工程を経ることで、山建てが行われ、蒲鉾状の丸い畝となります。