整経工程

織物の製造は、大きく分けて①紡績②撚糸③整経④糊付⑤経通し⑥織布⑦染色と各工程を経ることで完成します。ここは、③整経を担っている「整経工場」です。

 整経工場には、こうした形で糸が持ち込まれます。この麻の糸は、ひとつで000mの糸が巻かれています。この糸は、00番の麻糸ですが、麻や綿の糸番手は数字が大きいほど細い糸のことを指します。麻糸の場合は、1ポンド(453.592g)の重さで300ヤード(約274m)の長さを「1番手」と定めています。 つまり、1ポンドの重さで600ヤードの長さになるものを「2番手」といい、この糸は、「20番手」なので1ポンドで1,200ヤード(約1,096m)の長さになります。 結果、2番手の糸は、1番手の糸よりも軽い(細い)糸ということになるのですが、こうした一定の重さに対して、どれだけの長さになるのかで糸の太さを表す方式のことを「恒重式番手」といい、綿糸も同様な方法で番手を表します。

 この糸は、経糸としてビームに巻かれるのですが、000本の糸を巻く必要があります。この工場に納品された麻糸は、000mの糸が00個です。そのため、経糸を300本ずつ、000m、整経ビームに巻き取り、その作業を繰り返すことで0000本の経糸が整経ビームに巻き取られます。

 そのあとの工程で整経ビームから、経糸のビームに一気に巻きなおすことで経糸の準備が完成します。

 小ロット生産の際には、納品されるチーズは少ないわけですから、経糸本数に合わせてチーズを最初に分割して、小巻の経糸用に糸巻きを作る必要があります。この工場では、糸を分割する機械が動いていました。