帆布の製造

磐田市内で製造される織物に、帆布があります。帆布は、名前の通り、帆船の帆に使われた生地です。画像は、シャトル織機で織布した8号帆布です。シャトル織機は、杼(ひ)と呼ばれるシャトルが緯糸運び経糸の間に通す織機です。シャトルは、木製で作られており、様々なタイプがありますが、こちらの工場では、8号帆布を織布するのに30cmと大き目のシャトルを使用しています。一般的に帆布と言われるのは、平織の厚手の布です。帆布の厚みは、号数で表します。 数字によって生地の厚さが変わり、数字が小さい方が厚い生地です。 数字は0号から11号まであり、0号が最も厚く、11号が最も薄い生地ということになります。現在、磐田市では、7号・8号・11号が製造されています。

この生地を織っているシャトル織機は、㈱豊田自動織機のG型織機です。現在では生産されておらず、旧式のシャトル織機に分類されます。シャトル織機で織った織物は、空気を含んで柔らかい風合いが心地よいと評価されています。シャトル織機の構造上の特徴は、緯糸を右から左に交互に通すことから、セルビッチと呼ばれるような耳が作れることです。(一方、レピア織機やエアジェット織機は、右から左に一方方向で緯糸を通して、左右の生地5mmぐらいをカットすることから、切りっぱなしの耳ができあがり、「ふさ耳」って言われています。)

この8号帆布は、バッグ地などに利用されることから、染色後、糊を塗布する加工が行われており、硬く仕上がっています。厚みのある帆布を芯まで染めるには、技術がいると言われおり、この帆布は芯まで染まっていることから人気が高いとのことです。(染色は、埼玉の小島染織工業㈱で加工されていますが…。)